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ロックの部屋

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DONOVAN

「CATCH THE WIND」と英国のトラッド
DONOVAN
そもそも、ドノヴァンに興味を持ち始めたのは、ふとツェッペリンのジミー・ペイジはトラッド志向の強い人だったよなぁなどと想い耽ったのが最初です。

レッド・ツェッペリンのセカンドアルバムは、ハードロックのスタイルを確率した重要なアルバムなんだけど、3での音の違いギャップの大きさに驚いた一人であります。一般的に3を最高作という人はいないようです。1曲目の「移民の歌」はハードロックしているものの2曲目以降の曲はトラッド色ブルース色が強い。「フレンズ」や「アウト・オン・ザ・タイルズ」などです。そして4の「限りなき戦い」でのサンディー・デニーのロバート・プラントとのヴォーカルの絡みが素晴らしかった。そう、サンディー・デニーはトラディショナルフォークグループの【フェアポート・コンベンション】の女性ヴォーカリストでした。「カリフォルニア」のフォークナンバーもトラディショナルで美しい。
『聖なる館』の中の一曲「レイン・ソング」はトラッドの完成形なのかなと思ってしまう。
メロトロンとギターの融合が素晴らしいです。

ジミー・ペイジは【ヤードバーズ】参加以前からセッション・ミュージシャンとして活躍している人で、その中になんとドノヴァンの曲にも参加していました。「ハーディー・ガーディー・マン」や「サンシャイン・スーパーマン」なんですが、ジミー・ペイジはシタールを使用していたりギターでメタリック音をだしてサイケデリックな味を出しています。オーソドックスなフォーク志向だったドノヴァンに新しい方向性を導いた人だったのです。

ドノヴァンの「CATCH THE WIND」はオーソドックスなトラディショナルフォークでディラン色の強い曲、「ラレーニャ」と並んで名曲中の名曲です。ハーモニカが印象的です。甘いラブソングです。

♪心が不安に駆られて冷たく凍えるとき
 僕はあなたの暖かい愛の箱に
 すっぽりとこの身を潜め
 あなたのぬくもりを感じていたい
 そして、あなたの手をとり、この砂浜を歩きたい
 ああ、でもそれは風を捕らえるように難しい

 日没が空から色彩を奪うとき
僕はあなたの微笑みの影に隠れてしまいたい
どこをみても僕の目に映るのはあなたの瞳
いまの僕にとってあなたを愛することは
唄を口ずさみたくなるほど甘美な誘惑
ああ、でもそれは風を捕らえるように難しい

あなたの心のなかに住まうこと
それだけが僕の望み
それだけが僕の願い
ああ、でもそれは風を捕らえるように難しい♪


詩を読んでもあまーいメロディーが浮かんでくるでしょ。
理想の人との出逢いって風を捕らえるように難しいですよね。


少々強引なようですが、ドノヴァンやフェアポート・コンベンション、ペンタングルのようなトラディショナルなフォークの流れというのは、イギリスのロックの流れの中で確実に根付いているわけで、70年代のツェッペリン、80年代のネオ・アコースティックから90年代の【トラヴィス】にも受け継がれていると考えるわけです。

そして、最近ではスコットランド出身の【ベル&セバスチャン】や【コーラル】にも感じとることができます。

だから、イギリスのロックって素晴らしいんですよね。



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